しいたけワールド

4月17日、茨城県阿見町で

シイタケが春の旬を迎えています。
空に向かって、かさをぐいぐい広げ始めました。
う~ん、うまそう!(というかうまかった!)
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さて、つい先日、ぼろぼろになったシイタケのほだ木を集めていたときのことです。
クワガタの幼虫がコロコロと何匹か出てきました。

クワガタの幼虫と言えば、僕がもぐもぐキノコを食べるのと同じように、
木の中に広がる菌糸を食べて育ちます。
(人の目に見える「きのこ」がこれだけおいしいんだから、その本体の菌糸もうまいんでしょうか?)

また体内には木材を分解する細菌や酵母が住んでいて、
それらに手伝ってもらいながら、木そのものを消化して食べられるそうです。
毎年のように捕まえるクワガタですが、
小さな一匹の虫に、まだまだ分かっていない世界が詰まっているというのが面白いですね♪



話は変わって…
いま福島県内の各地で、屋外栽培の原木しいたけに、
政府が出荷制限の指示を出しています。
暫定基準値を超える放射性セシウムを検出しているそうです。

シイタケなどのキノコ類は放射性物質を取り込みやすいので、特に注意が必要なんだとか…
「人の体に、すぐには影響しない」と言いますが、
「じゃぁ、菌糸を食べるクワガタの幼虫はどうなの?」。 シイタケを食べながらふと思いました。

生物学者の福岡伸一さんの著書にありますが、
僕らの体をつくる分子は、ほんの数時間から長くて1年ほどで、全て流れるように入れ替わっていくそうです。
つまり、人間(生き物)の存在は”分子の流れのよどみ”ということです。

「人体にすぐには影響がない」 という言葉は、その流れを無視して、
人の存在のみを流れからすくい上げて (切り取れやしないのに) 語ります。
ものすごく乱暴で、粗野な言葉づかいです。

もちろん、体への毒性というのは重要で不可欠な情報ですが、
人体への生物学的な影響という視点を超えて、もっと人の暮らし、生き物たちの営み…
といった切り口で語られるようになってくれれば…と思います。

そういった意味で、人を含む生き物たちの暮らしを奪い、
これから長く影響を与え続けるであろう今回の原発事故は、とても罪深いと思います。

一方で、埼玉育ちの僕は、
今回、事故のあった「福島第一原発」が作った電気で(おそらく)育ってきました。
自分も「当事者」であり、実際に「加害者」でもあります。

この事故の行く末に、責任を持たなくてはいけない1人として、
これから僕たちはどう生きていくのか?
日常を深く生き抜きながら、日々の暮らしの中から考えていきたいと思います。
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by taro_1375 | 2011-04-19 12:00 | 農と自然
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